医学生実習レポート(2025年3月7日)
― 地域医療の現場で学ぶ ―
2025年3月7日(金)、宇都宮協立診療所にて医学部3年生を対象とした医学生実習を実施しました。今回の実習では、訪問診療や外来陪席を通じて、地域医療の実際を学び、患者さんの生活背景や医療のあり方について考える機会となりました。
実習の流れと学び
08:30 朝礼・訪問診療
朝礼では、当日の診療スケジュールや患者さんの状態を全職員で共有。情報共有の重要性を学んだ後、医師とともに訪問診療へ同行しました。
訪問診療では、患者さんがどのような生活環境の中で療養しているのかを直接見ることができ、治療だけでなく、生活支援や家族の状況を考慮する医療の必要性を実感しました。
13:00 昼食
昼食では、職員や医師と交流し、地域医療における診療所の役割や多職種連携の実際について話を聞くことができました。
14:00 植木医師との懇談
植木医師との懇談では、医療における言葉の選び方や、患者さんへの説明の仕方などについて話し合いました。
15:00 外来陪席
外来診療では、医師と患者さんの対話を間近で見学し、限られた時間の中で診察しながらも、患者さんの不安に寄り添う姿勢を学びました。
実習を終えて
今回の実習を通じて、医学生たちは「医療は単なる治療ではなく、患者さんの生活や社会的背景と切り離せないものである」ということを改めて実感しました。
また、**「異なる医師の考え方や視点に触れることの大切さ」**も強く感じたようです。
医学生の感想
- 「今まで武井先生に着くことが多かったですが、今回は新しい先生方の考え方を学び、異なる視点を知ることができました」
- 「今後も様々な先生方から学び、多くの視点を吸収しながら、自分の医師像を固めていきたいと思います」
医学生実習レポート:診療所での訪問診療を終えて
Q&A:医学生が学ぶ地域医療の現場
Q:午前中の訪問診療を終えて、どのような印象を持ちましたか?
A(医学生): 訪問診療では、診療所内での診察とは異なり、患者さんの生活環境を直接見ることができました。特に、病院とは違い、患者さんの家族との関わりや、日常生活の中でどのように病気と向き合っているのかを実感しました。また、医師が診療だけでなく、生活全体を考慮したアドバイスをしていることが印象的でした。
Q:訪問診療で驚いたことはありましたか?
A(医学生): 一番驚いたのは、救急車が移動手段として使われることがあるという点です。救急車は緊急時にのみ利用するものだと思っていたので、適正に利用すれば、患者さんにとってより良い医療につながることを学びました。
A(医師): そうですね。救急車を利用する際には、その妥当性をしっかり考えることが大切です。搬送先の病院を事前に調整することで、スムーズな診療につながります。こうした判断力は、実際に経験を積むことで磨かれていきます。
Q:訪問診療での処方について、座学と違いを感じましたか?
A(医学生): はい、座学では「第一選択薬」を基本として学びますが、実際の診療では、状況に応じて代用品を使うことがあると知りました。特に、訪問診療では医薬品の種類が限られることがあり、柔軟な対応が求められるのだと実感しました。
A(医師): その通りです。離島や小規模な診療所では、すべての薬をそろえることができない場合もあります。そのため、状況に応じた最善の選択をする力が求められます。大切なのは、まず標準的な治療を理解し、それを実際の現場に適応させるスキルを磨くことです。
Q:患者さんとその家族との関わりについて、どのように感じましたか?
A(医学生): ある訪問先で、認知症の妻を介護している夫が、ストレスを感じている様子でした。どちらに寄り添えばよいのか迷いましたが、今日は妻の話をじっくり聞くことにしました。患者さんが昔の話を楽しそうにされていたのが印象的でした。
A(医師): とても大事な視点ですね。医療者は、患者さんや家族のすべての経験を理解することはできません。しかし、関心を持って寄り添うことで、少しずつ信頼関係を築いていくことができます。ときには家族側のケアも必要です。どちらか一方ではなく、両者を支える視点を持つことが大切です。
Q:訪問診療でのコミュニケーションについて、難しさを感じた場面はありましたか?
A(医学生): 胃ろうを造設している患者さんが、「いつまでやるの?」と聞いてきたとき、どのように答えるべきか悩みました。正直な答えを伝えるべきなのか、それとも安心させるような言葉をかけるべきなのか迷いました。
A(医師): それはとても難しい問いですね。この患者さんは高次機能障害があったので、できるだけシンプルでわかりやすい言葉で説明することが重要でした。医師として、時には伝えづらいことも話さなければなりません。その際、相手の理解度や性格に合わせた伝え方を選ぶことが大切です。患者さんにとって最も負担が少なく、納得しやすい伝え方を考えましょう。
Q:将来の進路について、今日の実習を通して考えたことはありますか?
A(医学生): 訪問診療に興味があるのですが、若い人の診療もしたいし、終末期医療にも関わりたいという気持ちがあります。どちらかに決めるのではなく、幅広く経験を積んでいきたいと思いました。
A(医師): その考えはとても大事です。初期研修を通じて、さまざまな診療科や患者さんと出会うことで、新しい興味や関心が生まれることもあります。今の段階では選択肢を狭めずに、できるだけ多くの経験を積んでください。
Q:勉強との向き合い方について、不安はありますか?
A(医学生): 正直、最近は勉強があまり楽しく感じられなくなっています。国家試験やCBTに向けて、このままで大丈夫なのかと不安になります。
A(医師): その気持ちはよくわかります。私も学生時代、勉強が楽しいとは思えませんでした。ただ、試験勉強と臨床での学びは別物です。臨床では、患者さんのために必要なことを調べながら学ぶので、それがやりがいにつながります。今は効率的に勉強することを意識し、自分に合った学習法を見つけてください。
Q:最後に、これからの実習で意識するとよいことは?
A(医師): 実習は、知識を詰め込むだけでなく、現場での感覚を養う場でもあります。教科書では学べない、実際の患者さんの生活や家族との関わりを大切にしてください。また、診療所での経験は、将来の医療の選択肢を広げる貴重な機会になります。柔軟な視点を持ち、積極的に学んでいきましょう。
訪問診療を通じて、患者さんとの関わり方や実際の医療現場での対応を学ぶことができた今回の実習。地域医療の魅力と難しさを実感しながら、一歩ずつ成長していくことが重要です。これからも、たくさんの経験を積みながら、自分にとって最適な医療の形を探していきましょう!
栃木民医連 宇都宮協立診療所・生協ふたば診療所では、今後も医学生の学びを支援し、地域医療の魅力を伝えていきます。