高校生医療体験レポート
2025年3月24日、高校生医療体験がスタート。このプログラムでは、高校生が医師の視点、看護師の視点で医療現場を見学することができます。午後の懇談会では、診療所で活躍する医師と看護師・事務の方を迎えお話し伺いました。
当日スケジュール
- 8:20 集合
- 8:30 朝礼
- 9:00 民医連医療・民医連綱領に関してオリエンテーション
- 10:30 院内見学 医師陪席
- 12:30 昼食
- 13:00 医療者と懇談(質問など)
- 13:30 感想文記入
- 14:00 終了
当日の内容
- 人と医療の関わりについての学習
- 院内見学および外来診察の陪席
- 医師の方との対話、外来診察の観察・説明を聞く
- レントゲン撮影の観察・説明を聞く
- 医師・看護師・事務スタッフとの質疑応答
- 内科の診療見学および放射線技師の仕事を見学
- 宇都宮協立診療所で行っていることについての映像視聴
- 民医連の活動紹介
医療者との懇談会:現場のリアルな声を聞く
懇談会には、診療所で働く武井(たけい)医師と古谷(ふるや)看護師、医師事務の担当が参加しました。まずは自己紹介から始まり、それぞれのキャリアや仕事に対する思いが語られました。
武井医師のキャリアと診療所の役割
武井医師は、東京出身で自治医科大学に進学し、その後、僻地医療や離島医療に従事した経験を持つ総合診療医です。現在は宇都宮協立診療所で幅広い診療を担当し、訪問診療にも力を入れています。
「医師になってからの人生の方が長くなってしまいましたね」と語る武井医師は、医療の現場で培った経験を高校生たちに惜しみなく共有しました。診療所は、病気を治療するだけでなく、患者さんの人生に寄り添う場所であることを大切にし、「長期的な視点で地域医療を支えている」と話しました。
古谷看護師の視点:「人とのつながりが魅力」
古谷看護師は、高校時代に生協ふたば診療所での看護体験に参加し、その経験がきっかけとなり栃木民医連の看護奨学金制度を利用し、現在医療生協で看護師として働いています。
「私が高校生看護体験に参加した際にも、診療所のお医者さんや看護師さんと患者さんとの距離が近く、スタッフ同士の雰囲気も温かいことが印象的でした」と振り返りながら、診療所の魅力を語りました。また、「患者さん一人ひとりに合わせた関わり方を大切にしている」と述べ、単なる医療技術だけでなく、コミュニケーションの大切さを実感しているとお話してくれました。
Q&A:高校生が気になったこと
Q. 医師や看護師の仕事は大変ですか?
A. 医療の仕事は体力的・精神的に大変な部分もありますが、その分やりがいも大きいです。患者さんの笑顔や「ありがとう」という言葉に支えられることが多く、日々学びながら成長できる仕事です。
Q. 医師や看護師は休みの日も仕事のことを考えますか?
A. 診療所は24時間365日の対応をしていますが、医療チームで分担しながら業務を進めています。休みの日はしっかりリフレッシュすることも大切にしています。
Q. 医療現場ではコミュニケーションが大事と聞きましたが、どんな工夫をしていますか?
A. 患者さんに寄り添い、分かりやすい言葉で説明することを心がけています。また、医療スタッフ同士の情報共有も欠かせません。チームワークを大切にしながら診療を行っています。
Q. 総合診療とは何ですか?
A. 総合診療は、特定の疾患に限定せず、患者さんの体全体や生活背景を考慮しながら診療する医療のことです。診療所では、地域の方々が抱えるさまざまな健康問題に対応し、長期的に支えていく役割を担っています。
Q. 医療事務の仕事にはどんな役割がありますか?
A. 医療事務は受付や会計、患者さんの情報管理などを担当し、医療スタッフと患者さんをつなぐ重要な役割を果たしています。医療チームの一員として、円滑な診療を支えています。
高校生の感想
高校生からは、実際に医療現場を見学した感想や質問が寄せられました。
- 「患者さんと医療者の距離が近いのが印象的でした」
病院とは異なり、診療所では患者さんと医療者が親しみやすい関係を築いていることに驚いた様子でした。患者さんの背景や性格を理解した上で対応することで、より適切な医療を提供できることを学びました。 - 「医療者にとってコミュニケーションとは?」
武井医師は、「医療は単なる技術ではなく、患者さんの言葉にならない想いを汲み取ることが大事」とし、「言葉にした瞬間に本当の意味が変わることがある」と述べました。古谷看護師も、「患者さんに合わせた話し方や距離感を考えることが重要」と付け加えました。
参加者の感想
- 民医連の方針「網領」について理解を深めた。
- 患者様の病気に向き合うだけでなく、外来での診療を通してコミュニケーションを図ることが地域の活性化につながると感じた。
- 診療所ならではの医師や看護師、患者との親密さを実感した。
- 今の医療現場では余裕がなく、厳しい状態が続いているため、患者に寄り添うことが難しくなっている現状を知った。民医連は患者だけでなく、医療従事者のためにも活動していることが分かった。
- 営利よりも患者さんの笑顔を第一優先に考えて仕事をしていることが印象的だった。
- 患者さんファーストで、大きな声で聞きやすく話すことや、敬語でフレンドリーに接することが自然に行われていると感じた。
- 医師や看護師、医療事務の仕事についてより詳しく知ることができ、診察時の対応やレントゲンの見方など、新たな知識を得ることができた。
診療所の医療は『総合診療』
今回の懇談では、診療所の医療が単なる病気の治療ではなく、「総合診療」として患者さんの生活全体に関わることが分かりました。
武井医師は、「大学では総合診療について深く学ぶ機会が少ない」とし、「診療所での経験が、将来医療を志す上で大切な学びになる」と話しました。また、「大学生になってからも実習に来てほしい」と高校生にエールを送りました。
最後に
医療の現場で働く人々の生の声を聞くことで、高校生たちは医療の本質に触れることができました。地域に根ざした医療の重要性を実感し、未来の進路を考える貴重な機会となりました。