ご　あ　い　さ　つ

　栃木民医連は２００８年７月に全国４６番目の県連として発足し、ふるさと栃木に民医連建設の旗をかかげてがんばってきました。その源流は１９７５年１０月にわずかに５人の職員で発足した宇都宮協立診療所です。現在は加盟が２診療所（有床１無床１）４介護事業所２調剤薬局の計８事業所、そこに働く職員200人という規模に成長発展してきています。常勤医師は現在10人の体制となり、さらなる飛躍が期待されています。

　私たちは、ロシアによるウクライナへの侵略戦争と、それに乗じて憲法９条を変えようとする危険な動きに対して、全職員で総会運動方針学習と合わせて、日本国憲法の学習をすすめてきました。そのなかで、「憲法９条と国連憲章の理念にもとづいた対話による外交でこそ、平和がつくられる」という確信と行動を広げています。
　また、「人権と公正の視点」で、コロナ禍が続くなかでも「まず診る、援助する、何とかする」立場での、「医療・介護活動の２つの柱」の実践、地域連携やアウトリーチの取組を行っています。
　今、憲法を変え日本を軍事大国へと変質させ、コロナの教訓をくみとることなく新自由主義的な改革を推進し、暮らし、いのちを切りすてる国づくりが、政府によってすすめられようとしています。
　長引くコロナ不況の中でくらしと雇用不安が拡大し、その上さらに医療崩壊現象も加わって「病人が患者になれない」厳しい現実が生まれています。この中で全日本民医連は誰もが安心してかかれる医療実現のために無料低額診療制度の活用を呼びかけてきました。私たちもこの無料低額診療制度の適用を受けて、いのちの平等を守るじみちな実践を続けています。さらに１万人を超える医療生協組合員との共同で、健康づくりやまちづくり、助け合いのとりくみも広げてきています。
　また栃木県は滞納者からの国保保険証取り上げ率が全国ワースト１位という不名誉な地位にあります。この状況を変えようと栃木県社会保障推進協議会の事務局団体としてがんばってきました。さらに、核兵器廃絶と平和を守る運動や核被害を防ぎ原発をなくす運動にも積極的に参加し、運動を続けています。憲法改悪の危機が叫ばれていますが、私たちは憲法９条・２５条が生かされる国づくり、地域づくりを求めてさらに奮闘する決意です。
　事業活動では、診療所らしい家庭医療と在宅医療を中心に地域の信頼を広げてきています。もっとも困難な人々へ手をさしのべる活動やあるべき地域包括ケアの実践を深めて行く決意です。そのための医師確保や人づくり課題も重視して、新たな介護事業所建設や歯科診療所、第３診療所の建設にも挑戦して参ります。
　地域で耀く事業所へ、私たちの夢を引継ぎ、後に続く若い仲間の参加も熱烈に呼びかけています。医師・看護師・薬剤師その他医療の専門職をめざす学生の皆さんに対しても、奨学生となり将来、「栃木民医連への参加を」と呼びかけています。医師・看護師の卒後研修の課題では関東各県の民医連との協力関係が深まり、設備の整ったセンター病院での研修を経て帰任することも可能となっています。医師研修にとって大事な臨床研修センターの確立と指導医体制の充実も計られつつあります。とりわけ診療所研修の場として栃木は最適の条件にあり、全国の経験に学んで総合医・家庭医研修の意義と体制づくりについても取組を深めています。
　「小さくてもキラリと光る県連を」とのスローガンでがんばっているのが私たち栃木民医連です。今後とも皆様の尚一層のご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。